「人」を繋ぐ、東洋工芸のものづくり

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企画開発部 大森さん

東洋工芸の企画開発部企画開発グループで統括を担う大森さんは、1991年に入社して以来、⻑年にわたってお客様のご要望にお応えしたいと様々な施策を講じてきました。その一つが海外ネットワークの開拓です。お客様への提供価値や品質を守るため、新しい取引先を探し、ものづくりの同志として信頼し合うことに力を注いできました。今回は大森さんが考える「信頼」と「挑戦」についてご紹介します。

海外への挑戦と取引先との信頼関係

入社当時に企画開発グループに配属され、約30年間ずっとこの分野に携わっています。私の主な役割は、お客様からいただいたご依頼の内容を、企画や仕様に落とし込み、お客様との密なやり取りを重ねながら生産プロセスに引き継いでいくというものです。
自分のキャリアを振り返ると「挑戦」の連続でしたが、当社の先人たちが作ってきた土台を羅針盤に、困難を乗り越えてきました。

東洋工芸の海外展開、つまり協力会社の開拓は「挑戦」そのものでした。

創業以来、東洋工芸は金属加工を得意としておりましたが、樹脂などの新しいニーズに応えるため、生産体制を強化する必要性が高まっていました。
最初は、商習慣や考え方などの違いによって予想していないものが稀に出来上ることもありました。海外の協力会社とプロジェクトを「いざはじめよう」というとき、図面のデータやサンプルを送れば「期待したものができるか」というと、そう単純ではありませんので、現場に赴き、協力会社の担当者と一緒に考え、作業を確認し、軌道修正を行うなど、綿密なコミュニケーションを積み重ねることを心掛けました。

どの国や地域でも、協力会社とのこのようなお付き合いを続けてきた結果、私たちの要件が1だとしても、協力会社は1ではなく2や3を返してくれるような「持ちつ持たれつ」の関係を築くことができました。これは、今の東洋工芸の強みである柔軟な対応力につながっています。

東洋工芸のインターフェースとして

お客様からご依頼いただいた製品が完成するまでには、当社の営業担当や茨城工場で生産管理を担う者、協力会社など、それぞれのプロセスにおいて、それぞれのプロフェッショナルがおり、品質や納期を支えています。
私の役割は、これらのプロたちが高い品質と効率性を発揮できるよう「インターフェース」となって、東洋工芸全体の企画や開発の最適化を行うことです。

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インターフェースは、それが単体で機能するものではなく、発注者であるお客様と、当社や協力会社のプロたちが主体ですから、そのステークホルダーをスピード感と他者理解をもってつなぐことが重要だと考えています。現在は「統括」という立場で企画・開発の進捗状況や課題について常に考え、改善や課題解決に尽力しています。

仕事をする姿と家族のまなざし

私の父は、約25年間海外赴任しておりました。父についていく選択肢もありましたが、当時は日本を離れる気持ちにはなりませんでした。
東洋工芸に入社する時点では仕事でこんなに海外へ出張すると思ってもいませんでしたが、家族から「また出張?」と言われるほどいろいろな国に行くことになり、気づけば父の背中を追うようなキャリアを歩んでいました。
最近まで、私が働く姿を家族が直接見ることはありませんでしたが、コロナ禍でテレワークをする機会ができました。私がパソコン越しに会社の仲間と話しているところに遭遇した家族は「面白そうだね」と興味を持ってくれ、とても嬉しかったです。

全力を発揮できる環境

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世の中はこれまでにないスピードで、多くのことが目まぐるしく変化しており、霧の中を歩いているように感じます。
このような時代の中で、いろいろなことに挑戦しようとする後輩たちにも、安心して新しいアイデアや柔軟な考えを発言できるように、積極的に話しかけるなどして、風通しの良い環境を維持していきたいと考えています。かつて私の挑戦を支えてくれた先輩方のように、私もこれからの挑戦を支える存在になっていきたいと考えています。

2022年5月掲載